――――――――――――――――――――――――――――――――……… 「……ほんと久しぶりだね、こうして話すの」 楓太の姿が見えなくなってから、イチイ様が月を見ながら言った。 「ずっと〝色緋の淋〟ですから」 私は昔のように微笑する。 昔というのは、私と空木が色緋を作る前のことだ。 これでも私は、口調で公私を使い分けているつもりだ。 まぁ、楓太の前では絶対にこのような口調になることはないだろうがな。 「うん、やっぱりそっちの淋の方がいいね」 イチイ様は破顔した。