「で、そっちの外人さんは誰?この前の属首会の時もいたよね?」
秋桐という名の獣鬼を舎に返したイチイ様が、キョトンとした顔をして言った。
口調もあの頃と同じように戻っている。
楓太は………まぁ、外国人と言えば外国人か。
他の国から来たものだし。
それに彼の目の色は、新枦色(しんばしいろ)だ。
髪も灰黄緑(はいきみどり)。
それに、背もイチイ様より高い。
外国人だと言われても仕方あるまい。
「こいつは楓太。もう一つは犬升麻。訳あってうちの居候だ」
ワタシはイチイ様から目を逸らす。
「へー…?名前、日本人ぽいのに」
イチイ様が楓太の顔をまじまじと見る。
「よく言われるんですよ」
楓太はひきつった顔で笑っていた。
「こちらは白鬼の長、イチイ。私が友と呼んでいる男だ」
ワタシは楓太に言った。
イチイ様は軽く会釈をする。
「あー…じゃぁ、俺帰ります。そろそろ眠くなってきたんで」
何故か楓太が敬語だった。
「さっきはごめんねー!」
歩き出した楓太の背中に向かって、イチイ様が叫んだ。


