紅蓮の鬼



「辞めるって…こっちに専念するのか?」


驚いた顔をしたのも束の間、すぐに真面目な顔をして言った。


「あぁ」


千秋のこともあるし。


じきに奴は色緋に来る。


「俺は、もう少し考えるわ」


そう言って庭をボンヤリ見ていた。


「そうか」


普段ヘラヘラしているが、こいつにも何か事情があるらしい。


ワタシはその場を立ち去った。