――…なるほど どうやらただの莫迦じゃないらしい。 ワタシはさっきの楓太が言ったことを聞いて思った。 「だってさ、姐サン?」 空木が笑みを浮かべて言った。 「このことは教える必要がないと思っていたが、」 言葉を切り、ワタシは目を閉じ、フッと笑う。 瞼を上げると、頭の上に疑問符を浮かべている楓太が目に入った。 「そうでもないらしいな」