紅蓮の鬼



「だから、俺らは子供達にそう言ってんの」


「……そう、か……」


「それに、こんな言い方したらあんまり良くない気もするけど、」


空木が言葉を切った。


「ただ、護られて生きている奴に生きる資格なんてないよ」


「…………」


「俺、生きるってことは、戦うってことだと思うんだよね」


「…………」


「戦って、勝って、負けて、護って、護られて」


「…………」


「だから、最初から戦うことに逃げ出す奴なんて、甘々の子供」


「…………」


「俺はそんな風に子供は育てないよ」


「…………」


「って言いながら、俺、子供いないんだけどね」


空木が「あはは」と笑って言う。


気のせいか、空木の笑う顔がひどく悲しんでいるように見えた。