「なんで?」


「なんでって……強いからー」


空木は伸びをしながら言った。


「え?」


返ってきた答えが要約されすぎていて、逆に分からない。


俺は眉間にシワを寄せた。


「淋と俺にとって、あの里に居る奴らは子供みたいなモンなんだよ」


空木は目を細めて、空を見ながら言った。


「お、おう」


突然の話に、俺は頭をフル回転させて聞く。


「そんな大切な子供たちがいるのに、親(色緋の核)である俺らが何もしないで家(里)を
空けると思う?」


「いや…」


「子供達には、ちゃんと言ってあるよ」


「………な、何て…?」


……なんか。


ものすごくイヤな予感がするのは気のせいだろうか。