「あのっ…!」 ゆっくり振り向く男の人。 ゆっくり私と視線が合う。 「何?」 「…ぁ、もしかして… この車…」 そう言って車に目線を写すと 男の人も私の目線の先を見た。 「ああ、俺の車。 …あー、出れねぇの?」 静かに一回、頷いた。 「そっか、すまねぇな。」 そう言って、彼は駆け足で車に行って エンジンをつけた。 私もそれをみて、慌てて自分の車に乗り込んだ。