「ごめんごめん、はぁ…寝坊…しちゃってっはぁ…」


「19になるっつうのに、この距離全力疾走ご苦労様。」


目の前でハァハァと息切れしながら茶髪のボブを揺らすのは
恥ずかしながら、私の親友。笑


名前は美由希(みゆき)。

小学校からの仲。


「よーし、夢乃!
クラス見に行こ!」

大きく息をして落ち着いたのか、私の肩に手を置き、粋がっている。


「みて来たよ、もう。
私もあんたも1-C。」


「へ?」

間抜けな声を出す美由希。


「はいはい、行くよ。」


「ほんと?ごめん、夢乃~。
ありがとぉ、てか同じクラスって言うのがテンション上がるんだけど~。」


と横で私にくっついてくる美由希。

「うざいー!離れて。」

「喜んでるくせに~ ニヤ」


からかうようにいってくる美由希。

ほんと、こいつったら…


「喜んでないから。」

と冷たく言い放ち、スタスタ歩く。


腕を離された美由希は
後ろで、"もぉ待ってよ~"と
バタバタと走ってくる。


何歳だよ。


ほんと、そう言いたくなる。

まぁ、甘えん坊なのも美由希のいい所なのかもしれない。