――文篤side――



5月某日

とある高校の昼休みの教室




「文篤、お前また最終選考落っこちたらしいな。」



と友達の瀬川直哉(セガワナオヤ)にばかにされる。



直哉は幼稚園からの幼なじみ


毒舌だが、誰よりも友達のいいやつ


坊主で顔はイケメンだ


野球部のスター選手




「うるせー。まだまだ、チャンスはある。俺は夢を絶対にあきらめないから。」



俺の名前は、笹原文篤(ササハラフミアツ)

高校3年生



夏川杏子に憧れて、一流の俳優を目指している。



しかし、いつもオーディションを受けてみるものの、最終選考まで行って必ず落ちる。



だから、ドラマや映画に出演するとしても、役名が友達Aだったり、高校生3だったりする。


でも、夢をあきらめない。



どんなに失敗したとしても、必ず成功すると俺は信じている。


そして、絶対に夏川杏子と共演してみせる。



それが俺の夢だ。