海斗はきっと、陽愛に恋をするだろう。

時間が経たないうちに。

それに、海斗だけじゃなく、正樹も。


私は、想いを伝えられないままなのかな?


海斗と両思いになれる日は、こないのかな?



―授業中。

ふと海斗を見てみる。


海斗は、おそらく陽愛をみているだろう。



気分が上がらない。


授業も耳に入らない。



そうすると、班で話し合いをすることになった(らしい)

私は正樹と同じ班。

「なぁ未瑠、これってさ~・・・」


私はひたすら海斗を見続けた。
海斗と陽愛は同じ班で。

2人は、近い。

私は、遠い。

なんでかな?

想いは私のほうが強いのに。

長い時間、一緒にいたのに。


どうして?


どうしてなの?



「未瑠!!!」


「えっ!?」


「どうしたんだよ?
 俺の話、聞いてた?」

「あ、ごめん・・・
 聞いてなかった」


やばい。

正樹にも分かっちゃう。


「しっかりしろよ?」

「うん」

正樹は疑った表情をしつつも、話を続けた。



長かった授業も終わり、休み時間に。


「はぁぁぁぁ~~~~」


重いため息がでる。


「どうしたの?」

陽愛がキョトンとした顔で私をみる。

(私はあなたと海斗のことで悩んでるんですよ・・・)


「ん、なんでもないよ。
 勉強やだな~って。」


「あー、明後日テストだしねー」

陽愛が平然とした顔で言った。


(・・・・ん?)

「テスト!!!!」


教室にいる人たちの視線が集まる。

やば、大声出しちゃった。


「未瑠、テスト忘れてたの?」

「う、うん・・・」


テスト勉なんもしてなーい!!


キーンコーンカーンコーン♪

チャイムが鳴った。

「やばっ、あたし戻るね」


テストかー、悲しい・・・