―さて、中間テストの時期となった。

部活がやすみ。

ということは・・・

ふいに視線を海斗に向ける。




「未瑠!」



キタ━(゚∀゚)━!


「何?」
私は海斗の席へ行った。
そこには、正樹の姿もある。



2人はニヤニヤしながら何か企んでいる様子ですが・・・


「あんさぁ、今日、正樹ん家で勉強しね?
 
 それで、お願いがあんだけど・・・。」

2人は顔を見合わせる。

(なんだ?)

「いや、あのさ・・・。
 未瑠の友達に、陽愛ってヤツ、いんじゃん?」

水波陽愛、同クラになってから友達になった子。
学年1可愛くて、自慢の友達!

「いるけど、どうしたの?」

「そいつ、連れてきてくんね?
 ちょっといいなって思って。さ」


   ドクン

海斗が、陽愛のことを?
気になってるって意味―、だよ・・・ね?

胸がズキズキする。
どうしよう、海斗は小学校の時からかなりモテる。
陽愛も、好きになるかもしれない―・・・

「無理?」

海斗が私の顔を覗き込んだ。

海斗・・・
どうしよう、どうすればいいの?

その時、頭に思い浮かんだ。

いつか見た本に書いてあった言葉。


‘好きな人が幸せになるのが嬉しい’


そうだよね。


「大丈夫だよ。
 分かった、誘ってみる!」


笑顔で言った、つもり。


海斗は一瞬、驚いた表情を見せ、
「ありがとな。」
と呟いた。


「んじゃあー、3時に俺ん家な!
 未瑠、場所わかるか?」

正樹が聞いてきた。

「あー、わかんないや」

「あっ、じゃあ俺、迎えにいく―・・・」


「俺が行くよ」

正樹の言葉を遮った、海斗。

「俺の家、未瑠の家と近いし。
 一緒に行くから」

なんか、真面目な顔になっている。
どうして?

「そっか、オッケー!
 俺、先ちょっと帰るわ。じゃあまた後でな!」

「また後で!」

正樹に言った後、海斗の方を見た。

「海斗・・・どうしたの?」

「え? あ、いや・・・
 なんでもないよ。
 一緒に帰ろうぜ」

そう言ってリュックを担いだ。

「うん・・・」


私もリュックを担いで、海斗の後を追いかけた。


(なんだろう、何かが引っかかる・・・)