「お、おはよ・・・」

ハァハァと肩で息をしながらみんなに挨拶をする。


「未、未瑠!おはよっ」

顔を上げると、明らかに異様な光景がそこにあった。

過去に1度だけマンガで見た。


『ダブルデートの時、男子の服装が微妙にかぶる』


そうまさに今。

マンガと同じことが起こっている。


海斗と正樹は、全く同じデザインのパーカを着て、どこはかとなく似た感じのデニムを履いていた。


雰囲気は、かなり沈んでいる。


ここはひとつ、盛り上げなくては!


「よ、よしっ!全員揃ったことだし、れっつごーぅ!」


「そうだな!行くかー」

ここで初めて正樹が口を開く。


そうして歩き始めると、海斗が急に近づいてきた。


「なに?」

「お前、正樹の前で女子みたいなマネすんなよ!」

「はぁ!?何言ってんの!!?」


あっという間に正樹の隣に行ってしまう海斗。


(もともと女子ですよーだ)


ふん、と軽くひねくれたりしてみると後ろから声が聞こえた。


「未瑠ぅーーー!」

うなだれながら、私に抱きついてくる陽愛。


「もぉ君可愛すぎるよ!どうしたの?」

頭を撫でながら声をかける。

「未瑠が来るまでキツかったんだよー!
 2人の服かぶっててなんか気まずいしさー!」

「よしよし、お疲れ!」


私たち4人は、もうすぐバス停につこうとしている。