「未瑠!」


昼休み、急に後ろから声をかけられた。

この声は・・・正樹だ!



「何?」


「未瑠と海斗って、付き合ってるんだろ?」



  Σ(・∀・|||)ゲッ!!


「なんで知ってるの?!」


「だってさ、結構噂になってるぜ?
 『未瑠と海斗が抱き合ってた―・・・』ってね」


(え!?あの時見られてたの!?)



「ん、まぁ・・・ね」


「で、さ!ここからが本題なんだけど―・・・」


(それどころじゃないのにー!!)


噂になってるってことは・・・
どうしよう、海斗人気あるから私、恨まれる・・・!

海斗ファンの女子達に・・・



「俺らとダブルデート、しません?」


「・・・はぁ!?」


にやっと笑う正樹。


「なにその古い発想・・・」

「まぁまぁ気にしないで!
 俺と陽愛が付き合ってんの、知ってんだろ?」

「まぁ知ってるけど・・・」


「どうせ初デート、まだなんだろ?
 俺らもまだだからさー」


「そんなのどうでもいいよ・・・
 そっちはそっちで行けばいいじゃん!」



(海斗と話したいのに・・・)


だんだん苛立ってくる。


もうどっかいっちゃおうか、と思って立ち上がったとき、海斗が現れた。


「ナイスタイミング!!!」


「どうしたんだよ、お前ら」


もうすでに制服から体操着に着替えている海斗。



「いやさ~、俺ら4人でダブルデートしない?って話してたんだよ」


海斗の肩に腕をかけて言う正樹。


(海斗、断って!!!)


「4人って、俺と正樹と未瑠と・・・陽愛?」

「あぁ、もちろん!
 どう?」


正樹に言われたあと、海斗は私の方を向き、
『どうすんの?』
と口パクで訪ねた。



『こ・と・わ・って!!』


と私も口パクで返す。


頷いた・・・と思ったら、なんと!


「いーよー」


(え”!!!?)



やわらかくオッケーする海斗。

通じてなかったってこと?!


「楽しみだなっ、未瑠!」


そう笑顔で言った海斗を見たら、なんかどうでもいい気分になってくる。


「そうだね!」


精一杯の笑顔を返した。