《ガラガラ…》
橘 羅伊と書かれた表札の掛かった
病室のドアを開ける。
「ほいほいほい、どなたーって、
おぉ、ラルにサクトじゃーん。」
…ライは、相変わらずのようだ。
そう、あたしとサクト先輩は
たまにこうして
ライのお見舞いに来ているのだ。
いや、大体はあたし1人で来るんだけど
サクト先輩が部活のない日とかは
こうして2人で来たりする。
「おー。ライ、太った?」
「お、サクトは鋭いな!
今日測ったら2キロ増えてたぜ!」
「…本当に?」
見た目全然変わってないじゃない。
「何だよラル。今じゃもう
お前より体重重いぜ、多分。」
「…あたしはこんなにガリじゃない。」
「身長も計算に入れろっつの。」
…それでもなぁ。
「…何だよその顔は。
じゃあお前、体重教えてみ?
絶対俺のが重いから。さぁ!」
「言うわけないでしょ。」
「チッ。」
舌打ちすんな。


