「……何を…!」
細長く、2つに割かれて
先輩の足元にヒラヒラと落ちた
ソレを拾いに行く。
あぁ、もう。
何でこんなこと…。
退部届けだったソレの
片割れを拾ったとき。
「…っわっ……!」
突如体が浮いた。
反射的に上を見上げると、
視線の先にサクト先輩の顔があった。
近っ…。
てか何、この体勢…。
目があったのは分かったけど、
直ぐさま逸らしてしまう。
反射だ。失礼だろうけど仕方が無い。
「逸らすな。」
顔が近いためか、声がダイレクトに
鼓膜に響いた気がした。
「ラル。」
……。
何なの、この空気…。
耐えられそうも無いんだけど。
てゆうか、未だに目を合わせてないし。
「ラル。」
何回名前を呼ぶつもりなの、この人。
少女漫画のヒロインを
演じるつもりは全く無いけど…
いい加減心臓が持たない。
「…ラル。」
呼ばないで。
「ラル。好きだ。」
「…………え?」
うるさかった心臓が、
一気に止まった。


