未来へのボール*WINTER*


「何回来ても居なかったのに、

今日はのんびり弁当かよ。」


「さ……、会長。」

"サクト先輩"と呼びそうになった。


「え?部長?」

あたしの正面に座っている

ミツが目を丸くしていた。


…どうやら、

ミツの差し金ではないらしい。

てっきりミツが

サクト先輩を呼んだのかと思ったけど。


「…橘羅琉。

この間提出した書類のことで話がある。

生徒会室まで来てもらう。」


「……書類?」

どういうこと?


提出した書類なんて、

退部届けくらいしか身に覚えがない。

それにしたって、

1生徒の退部届けくらいで

生徒会が動く訳がない。


いや、その度に動いてたら

生徒会辛すぎでしょ。


「書類なんて知りませんが。

人違いでは?」


「橘羅琉、と名前を呼んだだろうが。

とにかく一緒に来てもらう。

曽根田、悪いがコイツ借りるぞ。」


「え、ちょっ、部長…?」

ミツ。助けて。


腕がグイグイと引っ張られる。

ちょっと。せめて箸は置いて行きたい。

あぁ、お弁当広げたままだし。


「……ホント、何なんですか…。」

ボソッと呟いた声は、

先輩に聞こえていたんだろうか。