「「…。」」

ライの饒舌がおさまったのか、

病室にまた沈黙が流れた。


「……疲れた。」

ポツリ、とライの口から

その言葉が零れた。


「…ラル。手ぇ貸して。」


「………え。」


「ほら。」

そう言って、

細い手を差し出してくるライ。


あたしは何も言えなくて、

そのライの左手に手を乗せた。


「……ほら。俺、居るじゃん。」

繋がれた手は、暖かった。


「父さんと母さんは死んじゃったけど…

俺はちゃんと戻って来たじゃん。」


「……ライ……っ…。」


「……大丈夫だから。」

…また、目の淵が、熱くなった。


「大丈夫だから。俺は死なないから。

お前が不安になったらすぐ来るから。

…だからもう1度。…バスケやろう?」


「……。」

もう、目の淵だけじゃ乗りきらなくて

頬を伝って落ちてくる。


「ラルがバスケやってて、

自分を責めそうになるなら、

お前の為にやらなくて良いから。」


「……っ…、…。」


「父さんと、母さん。

あと、ちょっとだけ、俺の為に

バスケ、またやってくんねぇかな。」

流れてくる熱いモノは、止まらない。


「……、…ぅん……。」

あたしの顔、今絶対ブサイクだ。