「じゃあ、お願いしまーす。」
「はい。」
《ガラガラ…》
あぁ…先生が行ってしまった。
「……。」
1人になったサクト先輩は無言。
当たり前か…。
あたしはと言えば…ベッドに横になって
さっきから寝返りも打たずに静止。
下手に物音を立てて、
先輩の意識を向けられたくないから。
……とか思ってるくせに…あたしは、
さっきまで先生が羨ましかった。
今も…このカーテンを開けて
先輩と喋れたら、どんなに幸せだろう。
仮定してばかりで、実行は出来ない。
先輩と喋れたらとか、
先輩と目が合わさればとか。
先輩と、向き合えれば…とか。
その後の思考の行き着く所は皆同じ。
あたしがもっと、強ければ。
あたしにもっと、勇気があれば。
そんなことが最後に思い浮かぶ。
……この気持ちを、捨てることが
出来たらどんなに楽だろう。
1度気付いただけで、
こんなにも人間を狂わせるもの。
何て、厄介な存在なんだろうか。
……"恋"というものは。
叶わない。叶えられない。
叶える努力が出来ない。
………気持ちに向き合える自信が無い。
「………消えてしまえば良いのに。」
ボソッと、自分にしか聞こえない、
小さな小さな呟き。
この気持ちも、この想いも、
あたし自身も。
いっそのこと消えてしまえれば、
どんなに楽なことか。
……悲観的に捉えてるワケじゃない。
ただ、1番楽な答えは
ソレだとあたしは思うだけ。


