「正確には、武道使いって言うの?貴女、どうやら魔法をあんまり使わないらしいじゃない」
確かに、あたしは武道派専門だけど…
てか、なんでそこまで知ってんだ?この人。
「…良く知ってますね。あたし、そんな有名なんですか?」
…あたしの噂なんて聞いた事無いんですけど。
「ええ。有名よ、かなりね。
“紅色の虎”。貴女そう呼ばれているのよ。知らない?」
「紅色の虎!?」
…紅色の虎なんてめちゃめちゃ聞いた事あるフレーズだ。
それはまるで、紅色の花を散らす様に、威厳な虎の威嚇の様な姿で立ち向かってくる恐ろしい姫サマ。
けれど、誰もその顔と名を知らない。
「それが…あたし!?」
な、なんで今まで気づかなかったんだろう。
「そうよ」
ちょっと嬉しいあだ名だけれど…
「あ、あたし、お姫サマじゃありません…」
「はあ?お姫サマなんて可愛らしい所に食い付くのね。貴女は虎と例えられてんの。私もそれに興味にあるんだけど」
「虎ぁ?」
…確かに、紅色の虎って呼ばれてるんだから、虎なんだろうけど…
でも、それって…
「あの、あたしの式…「さ、見せてくれないかしら?」

