「………あれ?」
気が付けば、ライトさんもいなくて。
…本当、何なの?
「今の貴女では、疑問ばかり思うのでしょうね。何?油断してるわけ?」
「わっ」
すると、ライトさんの声だけが聞こえた。姿形は見えず、声だけ。
「ライトさん?」
問い掛けても返事無し。…まさか、魔法でからかってるの?
この世界には魔法と言う物がある。そしてそれは、たくさんの種類がある。でもその魔法は、この世界の人々の二割の人だけしか使え無い。
手に入れるには、努力か才能。そのどちらか。大抵、使えなければ剣などの武器。
禁忌を行うって手もあるけど…違法行為なので、やる人はきっと少ないだろう。
と言うか、恐ろしくて出来ないだろう。
それでも、強力な魔法を使いたいって言うなら、別だけど。
「…疑問だけですね。あたし、魔法使えませんから」
こんな事を言ってるけど、あたしは出す必要が無いから出さないだけ。
こう言うのは、一歩間違えれば不利にもなりかねないからね。
要は、魔法はむやみに使っちゃいけないって事。ルールでは無いけれど、この世界ではそれが常識なんだ。
…なのに、この人は。マリファーナ学校の生徒なら常識ぐらい知ってるはずなのに。
「嘘を言わないで。私は貴女が優秀な魔法使いだとしってるのよ」
「…魔法使い?」

