あたしはその声に目を見開いた。
…あれ、
「そうよ、ちゃんとバンリちゃんの前に立って自己紹介しなさい」
…なんだろう、この声。
「えーもう、折角窓んトコに移動したばっかなのにィ。まあ、仕方ないかぁ」
…聞き覚えがー…
サッ。
「よろしくねえ。バンリちゃん」
あたしは、素晴らしき速さの瞬間移動で前に現れた人物を見た。
…羽織ったケープの帽子で顔が良く見えない。…何ともまあ、怪しい奴。
でも、顔が見えなくてもオーラで分かる。コイツのオーラ…
「………白い」
そう。見るからに怪しいのに、白いのだ。
いや、白いと言ったら違うかもしれない…これはまるで…水?
水のように…空虚。…透、明。
…こんな奴。今まで見たこと無い。
あれ。でも、じゃあ、声に聞き覚えがあるのはあたしの気のせいだろうか。
…気のせい…だと良いけど。
「…凄いね、君…僕と同じように波長が読めるんだねぇ」
「波長を!?」
突然、ライトさんが叫んだ。
「バンリちゃん、波長が読めるの!?」
波長…??

