「ひッ…変態か、貴様!!」
あたしは構えた。
「いやいや、ちょっと待ってくれ、わしゃあここの大家じゃけん」
「お…大家ぁ?」
こ…こんな、老いぼれで…裸の老人が…?
「それにしてもお前さん、良い構えの仕方じゃの」
「は?」
「生まれは…そうだな、これは言わん方がお前さんの為かのぉ」
この人…何者…
「ホッホッホッ、そう構えなさんな。わしゃあ、ルシファー・サタン・ドラゴン・ベルゼ・ジャックスと言うんじゃ。以後宜しゅう」
ルシファー・サタン・ド…なんて?
「な、名前が長すぎなんじゃ…」
「そりゃあそうだろ、昔色々言われとったあだ名を繋げたんだからの」
「あ、あだ名?」
「本当の名前は、とうの昔に失くしたんじゃ。話せば、ちょっと長くなるがな」
…なんでだろう。
…なんか、
「…悲しそうですね」
…あたしと同じ顔している。
「悲しい?…嬉しいの間違いだろ」
「う、れしい?」
「じゃけん」
ルシファー・…(仮にルシファーとしよう)ルシファーは微笑むと、薄汚いソファーに座った。
「出会いと言うのは、いわゆる良き縁。こうしてお前と会ったのも何か理由があるのじゃろう。わしはこの家で閉じこもってる中、凄く退屈でならなかったんじゃ。これでつまらなくなるかもしれんのぉ」
「閉じこもってる?…ずっと、この家に閉じこもってたんですか?」
すると、ルシファーはニカッと笑った。
「老いぼれじゃからな」

