「…ん。そう言えば、今日…」

あたしは、今日の戦いの事を振り返っていると、あの時の言葉を思い出した。

「フランさんが異常な程に反応していたダークネスマジックって…一体、何なんだろう」

“可哀想な魔法の事よ”

“町一つ壊せる”

「どうやら、良い物じゃないらしいけど…ああ、もう良く分かんないよ。いいや、明日にでもライさんに聞こ…「なあに、独り言言ってんだ?」

すると、男の声がした。

…聞いた事の無い声。けれど、声だけでも凄い威圧感が感じられるのが分かる。

あたしは、恐る恐る顔だけ横を向いた。

「よ!!今日Aクラスに昇格したバンリさん」

「……誰」

「ああ、そんな警戒すんなって。う~。やっぱ近くで見ると可愛いなあ。あ、俺の声気になっちゃった?大丈夫。俺、他の皆よりちょっと声変わりが凄かっただけだから。そうそう、俺お菓子持って来たんだ。一緒に食べねえ?アッハッハッハ、ちゃんと酒もあるぜ」

「いや、だから…あんた誰」

…この人、全然人の話聞いてないし。

「あ、俺?俺の名はレズ・ドラゴン。え~っと、今日からお前の仲間ッ」

「レズ・ドラゴン…」

今日からあたしの、仲間…?