何…?
「ダークネスマジックが人を助けるね。
お前、ダークネスマジックは人を殺すどころか町一つを壊せる魔法だぜ…?笑えるね」
…ドクン。
「町を…壊す?」
「そうだ。
…どうせ、お前もいつか…」
…ドクン。ドクン。
フランさんが喋る事に、あたしの体は、いつもより大きな音の脈を打つ。
「あいつらみたいな…」
…嫌だ。その先は、その先は、
聞きたくない....‼
「0(ゼロ)みたいな悪党共になるんだ‼」
ドクン。
ー…どうせあんたも兄貴みたいな悪者になっちゃうんだ‼
ー…出て行け‼化け物‼
「っ……‼」
0…みたい、な…。
…ダメだ。悔しいのに、何も言い返せない。
あたしは拳を握った。
「フラン。止めなさい。バンリちゃん、顔上げてこっち向いて」
あたしは、ライトさんの言われた通りに顔を上げた。すると、
「試合は…まだ途中よ。ねぇ?ペル」
「う?う、うん。そーだよぉ‼」
「ライ…トさん…ペルさん…」
ライトさんはクスッと笑った。まるで何かを伝えるために。
「それとも、降参かしら?」
「……いえ」
まるで諦めるなと言わんばかりに。
「そう。だけど、動かないのなら私がトドメを…‼」

