フランさんは、諦めたように自分の頭を掻いた。
なんか、可愛いって思った事は秘密にしよう。
「はあ……フランまで。
…まあ…良いでしょう。ならば、今すぐ試験を開始いたしますので、中へとどうぞ」
「あ、はい」
「待て」
呆れているライトさんに着いて行く中、あたしは、フランさんに呼び止められた。
「何」
「…あんたに入学という言葉はねぇぞ」
「…….……何回でも言っとけ」
☆☆☆☆☆
「あの…試験って何すればいいんですか」
「Aクラスの生徒と戦うのよ。全力でね。降参した方が負けよ」
「…………ライトさんとフランさんも含まれるんですか?」
「えぇもちろん。言っとくけど、私なら死んでも降参しないわよ?多分、他の仲間もそうだと思うわ。それとも、強いから逆に言う必要無いかしら」
…思いっきり嫌味だな。
「…相手はどうやって決まるんですか?」
「貴女自身が、その場で決められるわよ」
…へぇ。
この試験、案外内容は簡単でなくとも、流れは簡単なのかも。
「さあ、闘技場に着いたわよ」

