【俺も青星中学!3年B組の龍輝。そっちの名前は?】

私はすぐに返事をした。

【私はA組の瑛莉。龍輝のことなんとなく知ってるかも。学校でいつもベスト3に入るくらい頭がよくてカッコいいっていうウワサ聞いた】

【そんなことねぇから。それより相談したいことあるんだろ?】

【そうだった。実は3年生になってから勉強が全然わかんなくて…。そのせいでストレスも溜まってるの】

【まぁ受験生はストレス溜まるよな。勉強わかんないなら俺が放課後教えようか?ついでに相談したいこともあったら聞くし】

【いいの!?じゃあテスト近いから教えてもらおうかな☆】

【全然いいよ。じゃあ明日の放課後旧校舎の空き教室に勉強道具持ってきて】

【わかった☆じゃ、明日からヨロシクね!】

 チャットに夢中になっていると明日夏がケータイの画面を覗き込んできた。

「龍輝ってカッコよくてめっちゃ頭いいやつじゃん!いいなぁ瑛莉。あんなイケメンに勉強教えてもらえるなんて」

「でも目的は勉強教えてもらうことと息抜きするためだし。特別な感情もないから」

「そっかぁ。ちゃんと勉強教えてもらいなよ!こんな機会もうないかもしれないじゃん?」

「うん。苦手な数学絶対克服してやるー!」

 私は明日から龍輝から勉強を教えてもらえることを楽しみにしていた。
 
 当然、龍輝が何か企んでいる事に気付くハズもなかった…。