夏が終わる。(仮)

チーフはカフェオレに砂糖を入れて、不機嫌な顔でくるくるとスプーンでかき混ぜた。


混ぜ終わると更に不機嫌そうに溜め息をついて、こう漏らした。


「君さぁ…全体のシフト見てないの?」


シフト?


「…そ、そう言えば9月からのは見てませんでした。どうせ明日帰るし…」


「ふぅん、そうなんだ。明日から私、二連休なんだけどなぁ…」


「え!?本当?し、知らなかった!!」


「シフト見たら何かしら言ってくるかなぁ…と思ってたけど、言われないなんて残念だわ…」


ぶっきらぼうに淡々と話すチーフに呆気に取られながらも、次に言わなきゃいけない言葉を探す。


―――そう、ソレはまだ夏を終わせない為の魔法の言葉。