夏が終わる。(仮)

突然のサプライズに目を見開いた。


仕事中にポツリ…と呟いた一言を返事をしなくても、耳には入れといてくれたらしい。


この人は多分…上に立つ立場としても、恋人としても、人を把握しているのだろう。


気遣いが嬉しい。


「…でも、こんな事してて大丈夫?」


「大丈夫、大丈夫!お金払ってきたし、コックもマネジャーも休憩中だし、覗きに来るとしたら…隣のラウンジ番だから!

…でもラウンジのレストランに繋がる鍵閉めたから!誰も来ない。

…うん、まぁ、単純にご褒美だから早く食べちゃって?」


頬を赤らめて言い切るチーフが可愛くて、思わず笑顔になる。


「有難う御座います。明日の朝、心おきなく帰れます」