じり、と後ろに下がる。

尻を地につけた姿勢なのが痛いが
上手くいけば………。



立ち上がり、逃げ去ろうとした
その刹那。



ひゅ、という風切り音がしたかと思うと
私は身動きが取れなくなった。



「ちょ、土方さん!!」



私の首には
ひやりとした刃があてがわれていた。
世間が12月だということを忘れるくらい
辺りの空気よりそれは冷たかった。




「俺達から逃げようなんざ。
余程てめぇの足に
自信があるようだが……。
相手が悪かったな」


「………っ!」



ドスッと音がする。
景色が歪んでいくのを感じながら
私は意識を手放した。