ぽかんとしている私の横で
とんとんと畳を叩く音。
音のした方を向くと
眠そうな目をして
だぼだぼの隊服を着た男がいた。
「そんなところにいつまでも
突っ立っていられては邪魔です。
さっさと座ったらどうです?」
「あ……」
「まぁまぁお前ら、落ち着け。
総司も女子(おなご)に対して
そんな言い方をするんじゃない」
ガハハ、と笑いつつその男は
周りを静めた。
「最初から突っかかっていては
話せるものも話せなくなるだろう。
まぁ、楽にかけなさいな」
「………はい」
私はおとなしく
腰を下ろすことにした。