白雪姫と王子様!?

数時間後、馬車は月桂樹の生い茂る庭園へと差し掛かった。

これは、この城のノーラ夫妻自らが手入れをしている庭で、それはそれは見事なものだった。

庭園を走ること数十分、やっと、城が目に入ってきた。

「姫様、姫様!お城が薔薇で囲まれていますよ!」

アイシャはこれ以上無いくらいにはしゃいで、馬使いに叱られた。

「ええ、昔と変わらないままで…」

エーミールは目を細めて、どこか遠くを見つめている。

「姫様?いかがなさいました?」

「何でもないわ、さ、行きましょう」

そうして、中へと入っていった。