あたしは、いらない。

あたしなんて、必要ない。


『あんた邪魔。』

あたしは、邪魔者。


マリがあたしの傍から居なくなって。

家同然だった施設からも

居場所を無くして。


今まであたしを必要としてくれていたと

思っていた人達が

どんどんあたしから離れて行った。


皆、皆。あたしをそこまで

必要としていなかったんだ。


「ねぇ、アヤメ?」

ぽつり。

ラルの透き通った声がした。


「あたし達はね、アヤメを、

椿綾芽を必要としてるんだよ。」


「……………は?」

急だった。

あまりにも急な言い方だった。


何を言ってんの、この人。

そう思った。