「"はい"は一回だっつーの!

……てか、誰??」

その男の子は、顔からは

あまり想像をしないような口調だった。


「もう、ライ煩いよ。

お母さんとお父さんは?」

"ライ"。

どうやらその男の子は

"ライ"と言う名前のようだ。


「あらあら。ラルどうしたの?」

また、ドアから1人出てきた。


今度は、凄く綺麗な人。

顔は、ラルに似ていた。


「まぁ。そちらは?」


「お母さん。

この子、今日うちに泊めていい?」

いや、ちょっと。


そんな、見ず知らずの子供を

泊めるなんて、有り得ないよ。


――ヒヤッ。

額に、冷たい感触が。


「あらまぁ。凄い熱じゃない。

それに、こんなに濡れて。」


「うお、マジだ!

2人ともずぶ濡れじゃんよっ!」

……何。この人達。