「……ねぇ。」 ふと、気になった。 「ん、何。」 《ザァァァ…》 《バシャッバシャッ》 「あなたの、名前は?」 彼女の名前が。 「……ラル。」 らる?なんか…。 「変わった名前でしょ。 修羅場の羅に、琉球王国の琉で、 羅琉って読むの。」 「修羅場って…(笑)。」 思わず笑ってしまった。 「あ、笑ったね?」 「え。」 言われて気づいた。 ……あたし、笑ってた。 ついさっきまで"絶望"に 満たされていたのに。 自然と、笑ってた。 「…ん。着いた。」