やっと、施設に着いた。疲れた。
正面からじゃ、洗面所遠いな。
裏から入ろう。
《キィ…》
「―――…。」
「―――…。」
あれ。園長先生の声がする。
中に入ろうと思って、
あたしは手を止めた。
「――園長先生っ。子供をこれ以上
引き取らないでください!」
「――そんなこと…。」
「――今現在、ギリギリです。」
「――でも…。」
「――いい加減にしてください!!
中学生はもう施設に置いておけない!!
小学生までが限界だと
何度も言ったでしょうっ!?」
中学生は…置いておけない…?
園長先生は、違う先生と話していた。
「――綾芽ちゃんは、
もう施設を出るべきですっ!!」


