学校に着いて、
いつものように下駄箱を開ける。
「……っ。」
上履きが、ない。
………マリは?
「あーあ。めんどくさい。」
普通に靴を履き替えていた。
良かった。マリはあるみたい。
「マリごめん。先行ってて?
事務室でスリッパ借りてくる。」
「え?アヤメ昨日上履きあったよね?
…………無くなったの?」
途端に顔を険しくするマリ。
「アイツら…!」
「だ、大丈夫!!大丈夫だからっ!!」
これ以上マリに庇ってもらったら
マリまで靴が無くなってしまう。
それは嫌だ。
「…とりあえずスリッパ借りてきな。
下履きは教室まで持っていこ。」
マリは鞄からビニール袋を取り出す。
準備が良いなぁ。
「うん。ありがと、マリ。」
慣れないスリッパで
あたしはマリと教室に行った。


