―――次の日。
「アヤメ!嫌なら行かなくていいよ!!」
通学中、
何度もマリはあたしに言ってくる。
昨日、早退した後に
マリに全てを話した。
話してもマリは、
あたしの味方でいてくれる。
「大体、アイツらの勘違いじゃない!!
もう無視よ、無視無視。」
「いや、それは…。
本当のこと言えば大丈夫だよ…。」
そのうち、タカイ君も気づく。
好きでもない人間と
噂になっていると知ったら
きっと気分が悪いだろう。
だから、速く誤解を解かなきゃ。
「……ね、アヤメ。」
「ん?」
急に声色を変えて
あたしの名前を呼んだ。
「あ…えっと…。
ごめん!!何でもないや!」
「そう?」
この時、気づいていれば。
あたしは何度そう思っただろう。
あたしは何度そう後悔しただろう。


