あたしは慌てて
教室の方に向き直る。
そうだった。マリの手伝いを…。
急がなくては。
「うわぁっ!?」
「ったく。言ったそばから…。」
またタカイ君の前に後戻り。
さっそく段差につまづいたあたし。
マジで何度もごめんなさい(汗)。
「ご、ごめん…。ありがとう。」
「はいはい。教室行けば?
もうつまずくなよー。」
「う、はい。」
今度こそ、あたしは教室に向かった。
この時、気づかなかったんだ。
あたし達の姿を
見ていた人が居たことを。
そしてそれが、
タカイ君に好意を寄せる人だった
ということを。
馬鹿なあたしは、
人に言われて始めて気づく。
あたしとタカイ君が、
"抱き合っていた"ような体勢だった
ということを。


