未来へのボール*FALL*


一瞬、何が起きたのか分からなかった。


驚いて閉じた目を開けて

目の前にあったのは…。

…?ワイシャツ…と鎖骨??


「あぶね…。」

え、何。

いやいや、今のあたしの声じゃない。


「落ち着いて歩きなよ。

段差あんだから。」

あ、またこの声。

上から聞こえてくる?


あたしは上を見上げた。


「…え?」

何で。あいや、何で。


「……何?俺の顔に何か付いてる?」

何で、目の前にタカイ君?

てか、やけに近くね?


「…あぁ、この体勢に驚いてる?

仕方ないっしょ。

椿の腕引っ張ったら思いの外軽くて

勢い余っちゃったんだから。」

あ、なるほど。で、この体勢か。


………とりあえず、離れよう。

あたしはタカイ君から離れる。