〔side綾芽〕

『ねぇ、せんせー?どうして

あたしにはパパやママがいないの?』


『アヤメちゃん、あのね。

アヤメちゃんのパパとママはお空から

アヤメちゃんを見守ってるの。』


『ふーん?お空を見れば会えるの?』


『それは…。』


『?せんせー?』

物心ついた頃、

あたしには親が居なかった。


施設暮らし。

それがあたしの送る毎日だった。