突如、体育館の重いドアが開いた。


あれ。今日はもう全員いるけど。

え、今さら新入部員??


でも、ドアを開けたのは。


「え…。」

何で。


「うおっ!?アレってAYAじゃねぇ!?」

何で、こんな所に。


レム先輩の大きめの声も、

皆が練習する音でかき消された。


その細く小さな体は、

スタスタと

あたしの方へやって来た。


見た目、少し髪が伸びた。


「すみません。」

声は、あの時から変わっていない。


向こうは、眼鏡のせいか、

あたしだと気づいていない。


「おい、ラル!話掛けられてんぞ!!」

でも、レム先輩が

あたしの名前を呼んでしまった。


レム先輩…言わないでよ。

バレちゃうじゃんか。


「………ラル…?」

相変わらず、大きな瞳。

見開かれ、もっと大きくなる。