「貧血ですね。しっかりと

鉄分を摂取すれば大丈夫ですよ。」

病院では、

ラルの容態は大丈夫だと言われた。


「ラルッ!?」

ラルの家で会った、

ラルの母親らしき女の人も

病院に来た。


「サクト君だったかしら。ありがとう。」

そしてその人に、感謝をされた。


ラルの病室の前で

2人で待っていたのだが、

ついさっき。


《~♪~♪》


「あ、私の携帯だわ。ごめんね。」

その人は、携帯を持って

廊下の少し先に行った。


「ええっ!?ちょっと、今言われても…。」

たまに、こっちに聞こえるぐらいの

大きな声が聞こえた。

何かあったのか?


「サクト君…あの。」

その人が戻ってきたのは電話に出てから

十数分後だった。


少し、困った表情をしていた。


「はい。」

俺は直ぐに返事をする。


「本当にごめんなさい。

仕事が入ってしまって…。」

仕事?


家で家事をしていたから、

専業主婦かと思ってた。

仕事してるのか…。


「本当にごめんなさい。

ラルが倒れた後だっていうのに…。」

目の前の彼女は

本当に申し訳なさそうだった。