「橘羅伊って…今どこに居るんだ?」

俺は、あの広場で確かにそう聞いた。

目の前に立っていた彼女に。


しかし、その名を出した瞬間、

彼女の瞳は俺を映さなくなった。


そして。


「……ら…ライ…?」

その、彼女にとって大切な肉親の名前を

戸惑いがちに読んだ後。


「…っ、ラルッ!?」

彼女は崩れるように倒れた。