未来へのボール*FALL*


《ガラガラ…》


「っ!」

どのくらい経ったのだろう。

手術室のドアがようやく開いた。


その中から真っ先に出てきたのは

白衣を身に纏った医師だった。


あたしはすぐさま

その医師に駆け寄った。


「…ご家族の方ですか?」


「………はい。」

医師の声は、とても静かなものだった。


「……よく、聞いてください。

君のお父さんとお母さんは、

体内の内臓の損傷が酷く、

間に合わなかった……。」


「…………。」

間に合わなかった?

それってどうゆうこと?


理解を仕切っていないあたしを置いて、

医師は言葉を続けた。


「それで…君のお兄さんだが。」

ライ?


「兄が…どうしたんですか?」

大丈夫。大丈夫。

だって、あのライだよ?大丈夫。


「脳に強い衝撃を受けて、

現在昏睡状態です。」


「……昏睡…状態。」


「起きる様子は今のところありません。」


「……起きない…んですか…?」

嘘。


「…………。」

医師は、固く口を結んでいた。


嘘だ。