「え…はい。」

聞いても良いだろうか。

探っても良いだろうか。


その顔が歪むのはもう見たくないが、

1人で全てを背負い、

孤独に押し潰される。

そんなラルは、もっと見たくない。


なぁ…ラル。


「橘羅伊って…今どこに居るんだ?」

俺にも、分けてほしい。

君が、抱えている哀しいモノを。


俺が橘羅伊という名前を

出すと思わなかったのか、

ラルはしばらく

無表情のまま固まっていた。


「……ら…ライ…?」

―――刹那。


目の前の彼女は、脆く崩れ去った。