椿が抱えていた過去は、
辛く苦しく、酷く哀しい過去だった。
そして、絶望の先に在った
色づいた世界、ラル達との出逢い。
どちらも、忘れることの出来ない過去で
思い出せば苦しいし、懐かしいし、
辛いし、暖かい。
思い出す内容によって、
心情がかなり変わる。
ラルはきっと、椿の辛い時期を
心配しているんだと思う。
……ラル、気付かないのか?
ラル達の話をしていた時の椿の表情は
とても和やかで、暖かいものだった。
ラル達によって、椿はもう、
辛く苦しい過去から
抜け出せているのだと。
ラルは…椿にとって、
命の恩人とも言える、
椿を救った"光"だということを。


