「………あれ?サクト先輩?」


「え。」

突然後ろから名前を呼ばれた。

しかもこの声は…。


「ラル?」

俺は後ろを振り向きながら確認した。


「あ、はい。」

俺の名前を呼んだのは

やはりラルだった。


………なんでこんな所に?


「サクト先輩、なんでこんな所に?」

…って、俺が聞かれる方かよ。


何て答えるべきだ?

椿と話をしていたと言っても

良いのだろうか。


「……椿と、話してた。」

自身の中で結論が出ないまま、

結局俺は椿と話をしていたことを

正直に話した。


「アヤメと?へぇ…アヤメが…。」

少々複雑な表情を浮かべているラル。

何か気になる点があったのだろうか。


「ラルの過去について、話してた。」