オレと子どもの12日間



「立川さんって…やっぱ優しいな。」

立川さんの顔が赤くなった。
うわ、照れてる。可愛いーーー…だろうな、俺の顔でなければ。

「…優しいのは、どう考えても優斗くんだよ…。」

ぼそっとした声でそうつぶやいた気がするけど、俺の妄想かな。

「え?」

「なんでもない。」

…妄想だな、きっと。

楽譜を書きながら立川さんは細かく説明してくれた。
保育者の動きとして、子どもに○○させる、という強制的な言葉づかいをしないこと。代わりに、○○するよう促す、などを使うこと。「子供」ではなく「子ども」と表記すること。子供と書くと、「大人の従属物」という意味になって差別表現になってしまうから、らしい。気になって調べたら、それはこじつけで、単に「供」が当て字だかららしいけど。