オレと子どもの12日間



「時間無いからさ、そこに実習ノート置いてあるでしょ。書きながらそれの説明するからなにか質問あったら聞いて。」

「お、おお。」

おもむろにオレンジ色のファイルのページをめくる俺だが、はっきり言っておくぞ。人間っていうのはな!わからないことがありすぎると、わからないことがわからない。そんな時があるんじゃい!

「…なにかあった?」

冷静に立川さんが聞いてくる。さっき思ったことなんか言えるはずがない。なぜなら、俺は所詮、木島 優斗だからだ。どうせ好きな女に逆らえないチキン野郎だよ。悪いか。

「1番上のさ、本日のねらいってどんなこと書けばいいんだよ?」

「それは、その日に学びたいこととか目標。」

それは、わかるんだ。ま、実習っていうくらいだからさ、それくらいの目的意識は必要なんだろうけど。俺は目的も何も…ねえ。

「目標とかないし、って思ってるでしょ?」