ヘッドホンを外して振り向くと、立川さんのきらきらした笑顔があった。(しかし、外見が俺だから軽く引く。)
「すっごーい!優斗君て、センスあるね。私が実習で弾いてほしい曲、簡単なのに今から書き換えるからさ、それ練習してみて。」
立川さんに褒められるのは本当に嬉しい。ありがたき幸せ!!
楽譜書き換えるといった、立川さんは五線譜が書いてあるノートを出して、すでに掛け算を俺がするような速さで書き始めている。ま、とにかく速いってことだ。
「立川さんって、楽譜も書けるのか。本当、なんでもできるんだな。五線譜とか、なんかプロっぽいな。」
「そんな。私なんてできないことばかりだよ。優斗君みたいに、頭がいいわけでもないし。五線譜もそこら辺の 文房具屋さんで普通に売ってるよ?」
顔を上げずに、ペンを走らせながら普通に会話してる立川さん。さすがです。むしろ、少し怖い。

